第3回の今回は「トレンドラインと水平線」の紹介を行います。
前回はダウ理論を紹介しましたが、特に“トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する“の法則はトレンドライン分析の基になっています。
「トレンドラインと水平線」は共にライントレードですが、使い方が異なります。そのため、章を分けて説明します。
トレンドライン
トレンドラインの使い方
トレンドラインはトレードでエントリーする判断基準の一つとして使えます。下図は豪ドル/円の月足のチャートにトレンドラインを引いた図です。

僕が引いたトレンドラインを紫色で示しています。この期間内はこの2本の斜め線の中で価格が推移していることが分かります。
このことが何に使えるのかと言うと、トレンドラインが有効な期間内でこの法則性に気付くと、価格範囲が予想できるようになります。
特に図中に青、ピンクで描いた点は勝ちやすいポイントと言えます。いつも勝てるわけではありませんが、予想を外した時も損失をかなり抑えることができます。
トレードは未来予想なので、自分の予想が当たりやすく外した時にダメージの少ないポイントを知ることができます。
トレンドラインの引き方
では、ローソク足だらけのチャートの中でどのように斜め線を引けばいいか?についてです。
一般的にローソク足の反応点が一番多くなるだろう線をトレンドラインと見なします。
先の図では反応点が上側、下側合わせて8個くらいありました。このトレンドラインは過去の値動きなので反応点が多くて当然なのだと思います。
まだトレンドの最中であると考えられる場合には、僕の場合は上側と下側でそれぞれ反応点が2点以上あることを条件としています。
また、ローソク足には実体とヒゲがあるのですが、「実体>ヒゲ」の優先順位でトレンドラインを引くことが一般的です。僕もそれに従っています。
特に、トレンドラインを2種類閃いて反応点の数が多い場合はこれで判断すると良いと思います。

トレンドラインからローソク足がはみ出す場合もあるのですが、その場合は価格のオーバーシュートと見なします。
コロナショックの時など、値動きが激しい時にはよく起こります。
トレンドラインとダウ理論
ダウ理論の法則の中の“トレンドは明確な転換シグナルが発生するまでは継続する“はトレンドラインの基になっていると書きました。
先ほどのトレンドラインにダウ理論を当てはめてみましょう。

ダウ理論のトレンドの定義は
・上目線:前回の上値と安値を今回の上値と安値がそれぞれ上回る
・下目線:前回の上値と安値を今回の上値と安値がそれぞれ下回る
でした。対象のトレンドは下目線ですね。目立つ価格を黄色のラインで示しました。
ダウ理論が継続している最中はトレンドが続いていることが分かると思います。これがダウ理論がトレンドラインの基である理由です。
しかし、トレンドにはいつか終わりが訪れます。
緑色のラインの価格は下目線の終了と上目線の始まりを示しています。この後、紫色のトレンドラインをローソク足が上抜いています。次のトレンドが始まったのです。
トレンドラインだけでは、いつトレンドが終了するのか分かりにくいと思います。
ダウ理論と組み合わせることでトレンドラインからの逸脱の危険を察知できる確率が上がります。
トレンドラインは短期より長期の方が強い
同じ豪ドル/円の週足チャートで先ほどのトレンドラインの一部を拡大した図を下に示します。

先程、紫のトレンドラインは下目線と言いましたが、緑色で引いたトレンドラインでは見事に上目線です。
しかし、紫色のトレンドラインで上値を抑えられて反転しています。これが短期よりも長期が強い(信頼性が高い)という意味です。
よく、「予想屋さんが短期では上、長期では下」と一見わけのわからないこと言っていますが、これがその典型です。
相場は一本調子で下がり続けることができません。売ってる人がいれば買っている人がいます。
この上昇は長期のトレンドライン内での反発にすぎなかったということです。
トレンドラインの弱点
トレンドラインは価格の反発や値動きの範囲を予想するとても便利なツールですが、弱点があります。
下図は豪ドル/円の月足チャートに加筆したものです。

同じチャートに2本のトレンドラインを引いてみました。上側のトレンドラインは同じですが、下側のラインの位置が異なります。
紫色のトレンドラインは下ヒゲを無視してますが、緑色のトレンドラインは下ヒゲによく反応しています。
僕はどちらも正解だと思います。そして世の中の人の意見が割れた結果だと思います。
相場では、世の中の人と同じ視点、判断基準を持つことが重要です。
ですが、トレンドライン分析は人によって見方が異なるため、自分が引いたトレンドラインが多数派か分からないという弱点があります。
水平線
水平線の使い方
水平線はその名の通り、価格の抵抗ラインを水平線で示したものです。
単純ですが、単純であるがゆえにトレンドラインよりも世の中の人と共通認識を持ちやすいというメリットがあります。
下図に豪ドル/円の週足チャートを示します。

ちょうど今、水平線①上で揉みあっているところです。
このラインを明確に抜けてくると、次は水平線②の約90円が次の目途であることが分かります。
水平線を引く価格の選び方
価格を選ぶ条件は過去に上昇抵抗、下落抵抗になっている価格です。
上昇、下落ともに抵抗になっている回数が多いほど強力な水平線です。
先ほど示したチャートの水平線①で説明します。

先ほど説明した条件を満たしており、優秀な水平線です。このような優秀な水平線には下記の重要な特徴があります。
・85円や90円など、キリの良い数字で引ける水平線には抵抗が多い傾向がある
・水平線を抜くのに時間がかかることが多いが、抜けると一気に価格が動くことが多い
これは、水平線が世の中に人と共通認識を持ちやすい特徴を表しています。横線なのでトレンドラインよりもみんなの見解が合いやすいのです。
トレンドラインと水平線を組み合わせたトレード
下図のように、長期トレンドラインと水平線の抵抗が交わっているポイントは優位性が非常に高くなります。

この例に関わらず、相場の世界では複数の分析が同時に成り立てば、その数が多いほど勝率が高くなります。
世の中の多数派の人たちと意見が合いやすくなることが理由です。
まとめ
今回はライントレードということで「トレンドラインと水平線」をまとめてみました。
僕はみんな同じ視点になりやすい水平線の方が好きです。
しかし、弱い水平線(過去にあまり意識されいない水平線)は簡単にトレンドラインに抜かれてしまうことが多いため、使えるポイントがあまり頻繁ではありません。
そこで、僕は含み損を抱えたときのナンピンポイントに目安として使うことが多いです。
この記事がみなさんの理解の一助になれば幸いです。
次は「レンジ相場と三角持ち合い」の記事です。
テクニカル分析紹介④ レンジと三角持ち合いをわかりやすく説明
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