第4回の今回は「レンジ相場と三角持ち合い」の紹介を行います。
これまでは値動きが一方向に動いていく場合の分析でしたが、今回は値動きが停滞している場合の分析の紹介になります。
レンジ
レンジは「ボックス」や「持ち合い」とも呼ばれます。
まるで箱の中で価格が往来しているかのような値動きをします。
下記にレンジ相場のチャートを示します。
レンジとレンジブレイク
・【7201】日産自動車 株価週足

このチャートでは2009年8月頃から2012年の12月頃まで、黄色枠で囲った範囲での値動きをしていることが分かると思います。
また、上値と下値がともに複数回にわたり同様の価格で反発していることがわかると思います。
このボックスの上値と下値で何回も反発を繰り返すことにより、市場参加者に非常に意識される価格となります。
しかし、レンジ相場は未来永劫続くことはありません。いずれこの均衡は崩れます。
レンジ相場は買い売り、それぞれのエネルギーが溜まっている(ポジションが溜まっている)状態であり、いつかエネルギーが解放されます。
下図に先ほどの日産自動車のチャートのその後を示します。
・【7201】日産自動車 株価週足

このチャートでは、水色の矢印で描いたように上方向にブレイクしています。
そしてその後、次のトレンドとして新たなレンジ相場を形成しています。
ここで注意すべきは、レンジ相場の終わりのブレイク方向は上方向か下方向か終わってみなければわからないことです。
また、レンジのブレイク後には大きな値動きになることが多いです。自分のポジションを逆方向にブレイクした場合を想像するとゾッとしますね。
簡単なレンジ相場のトレード方法
レンジ相場であるのかそうでないかの見極めが難しいところですが、仮にレンジであると仮定した場合、僕がやってみてしっくりきた方法が下記です。
・ユーロ/円 一時間足

レンジ相場の下限か上限付近でエントリーして前回安値や高値で逆指値を置いておきます。
※前回安値の代わりに意識されている水平線でも判断の目安になる価格であればどこでも良いです。ダマシ考慮して目安+αというのも良いと思います。
利確については、約50%戻しで利確します。
この方法は単純ですが、下記のメリットがあります。
・リスクリワードが高く、低勝率になっても利益が残せる可能性が高い
・僕みたいに欲張りで気づくと逆張り&損切りできない方でも判断しやすい
レンジはブレイクされると大変な含み損になることが少なくありません。
ダマシに引っかかることもありますが、特に②の特徴を持つ方、判断が簡単になるのでやってみてはいかがでしょうか。
三角持ち合い
相場の停滞時の特徴的な形状に三角持ち合いがあります。
三角持ち合いは必ずいつかブレイクされ、ブレイクした方向にトレンドが発生します。
さらに、三角持ち合いの値幅と持ち合いの期間が多いほど、トレンド発生時の値幅も大きくなる傾向にあります。
三角持ち合いの形状は一つではなく複数種類あります。
それぞれに特徴がありますので順々に説明していきます。
3種類の三角持ち合い

シンメトリカルトライアングル(均衡型)
この形は上下のトレンドラインに挟まれて二等辺三角形に近い形状になる場合が多いです。
下図に例を示します。
・ユーロ/円 1時間足

この形は上下どちらの方向にブレイクするかわからないことが特徴になります。
そのため、エントリーの一例としては黄色丸で描いたポイントで入って、「白色ラインで一部利確 ⇒ 三角持ち合いブレイク後に残りを利確」などになります。
損切りは下落トレンドラインを利用して、「上値切り下げが崩れた場合 or ダマシ考慮してその価格より+α上」などで良いと思います。
アセンディングトライアングル(上昇型)
この形は一本の水平線と上昇トレンドラインからなります。
上値抵抗となる水平線を突破しようと下値切り上げながら推移しているのが特徴です。
下図に例を示します。
・豪ドル/円 1時間足

この形は下値を切り上げながら何回かの水平線にトライ後にブレイクして上昇する展開が多いことが特徴です。
一例として黄色の丸でエントリーポイントを示しました。
水平線の価格でショートするという考え方もありますが、よっぽどの抵抗線でない限り怖いですね。
※上図の形は比較的キレイですが、実際はダマシも頻繁に起こります。水平線抜く前にダブルボトム形状になったり、微妙に下値切り下げてから上に行ったり・・・。
トレンドラインに対してキレイすぎる逆指値を入れると損切りの頻度が高くなるかもしれません。
ディセンディングトライアングル(下降型)
この形は一本の水平線と下降トレンドラインからなります。
下値抵抗となる水平線を突破しようと上値切り上げながら推移しているのが特徴です。
下図に例を示します。
・ポンド/米ドル 1時間足

この形は下値を切り上げながら何回かの水平線にトライ後にブレイクして上昇する展開が多いことが特徴です。
ここでもエントリーポイントを黄色の丸で示しました。
注意するポイントはアセンディングポイントとまったく同じです。逆になっただけです。
まとめ:持合い相場はチャートにあふれてる
実チャートでは、大部分が持ち合いであると言われています。
・ ポンド/米ドル 1時間足

ここでは
・白色:レンジ
・青色:シンメトリカルトライアングル
・緑色:アセンディングトライアングル
・黄色:ディセンディングトライアングル
を示しています。わかりやすいようにブレイクポイントを〇で示しています。
必ずいつかはブレイクされることがわかると思います。
・ブレイク前に形状に沿ってエントリー
や
・ブレイク後にその方向についていく
など、上手く利用して利益を積み増さねていきたいですね。
次は「ピボットについて」の記事です。
テクニカル分析紹介⑤ 逆張りに有効なピポッドをわかりやすく説明
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