第8回の今回は「フィボナッチリトレースメント」の紹介を行います。
前半部分の「フィボナッチ」はイタリアの数学者レオナルド・フィボナッチのフィボナッチ比率を示しています。
後半部分の「リトレースメント」は”綾戻し”です。
ざっくりいうと、”フィボナッチ比率での反発”です。
詳しく書くとフィボナッチ数列の話からになってしまうので、まずはチャート分析での使い方を説明します。
そのあとフィボナッチ数列の簡単な説明をします。
フィボナッチリトレースメントの使い方
使う比率の値
下記の数値が使われますが、特に重要な値は赤太字にしています。
・0
・0.236
・0.382
・0.5
・0.618
・0.786
・1
・米ドル/円 週足 フィボナッチリトレースメント説明図

白線の横線でフィボナッチリトレースメントを示しています。
直近高値を0として、その上昇し始めの安値を1したの時の比率が右隅に示されています。
このチャートは緑線で示した上昇トレンドラインの下端を抜け、下落トレンドが始まっています。
これからどこまで下落するか分かりませんが、下落目安をフィボナッチ比率で予想することができます。
一般的には、
・トレンドが強い時の下落目途は0.382 : 図中に黄色で囲った四角
・トレンドが弱い時の下落目途は0.5か0.612 : 図中に緑色で囲った四角
・それ以上下落すると全戻しやそれ以上の下落を意識し始める
となります。
フィボナッチリトレースメントが効いている例
・豪ドル/ニュージーランドドル 日足 その1

ちょっと下ヒゲで行き過ぎてますが、0.618で反発しています。
上図での反発点( 図中に黄色で囲った四角) を下値としてまたフィボナッチリトレースメントを行ってみます。
・豪ドル/ニュージーランドドル 日足 その2

また0.618で反発しています。
この例は2回とも0.618での反発なので弱めの上昇トレンドなんでしょうね。
フィボナッチリトレースメントと他のテクニカル分析の複合
・豪ドル/ニュージーランドドルとトレンドライン

トレンドラインを合わせてみました。
過去のチャートなので結果論なのですが、0.618の反発点はモロに一致してますね。
この他にも一目均衡表や水平線、ピボット等とも複合させても効果的と思います。
-トレンドライン参考記事-
テクニカル分析紹介③-トレンドラインと水平線-使い方紹介
-ピボット参考記事-
テクニカル分析紹介⑤ 逆張りに有効なピポッドをわかりやすく説明
-一目均衡表参考記事-
テクニカル分析紹介⑦ -一目均衡表- 難解だが効果的 簡単な使い方
フィボナッチ数列について簡単に
人が美しいと思う数値0.618
フィボナッチ数列は人によっては、黄金比と言った方が分かりやすいかもしれません。
フィボナッチが提唱し数列を計算していくと、0.618という数値が出てきます。
この0.618という数字は不思議な数値で人間が美しいと思う数値だそうです。
1:1の正方形の1辺に0.618を足した1:1.618という比率は古代から建造物、芸術作品に使われてきました。
・パルテノン神殿の縦横比率
・ミロのヴィーナスのヘソを始点とした頭上と足元の長さの比率
が有名ですね。
最近だと名刺やクレジットカードの縦横比が 1:1.618 の近似値のようです。
チャートで意識される数値について
0.618は1から引き算をすると0.382になります。
比率なので0~1の中での話なので0.618があれば0.382が出てきても不思議じゃないですね。
0.5も意識されますが、これはちょうど半分なので感覚的に分かるかと思います。
よくチャートでは1/3戻し、1/2戻し、2/3戻しという言葉を聞きますが、
これは0.382、0.5、0.618の近似値ですね。
まとめ
世の中には人が意識する不思議な数値があるんですね。
フィボナッチリトレースメントは人の本能に触れる分析方法となります。
最近はトレードにAIが導入されているとも聞きますが、AIも人が作ったものです。
おそらくそのプラグラムには今回の数値が意識されているはずです。
そう考えると未来永劫使える分析手法であると思います。
今回で僕がよく使うテクニカル分析は一旦区切りとします。
また新たにレパートリーが増えたり、複合のテクニカル分析で勝率が高いものが分かったら書いてみようと思います。
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