ブログにて日本株の銘柄分析を行っています。
今回の銘柄は日本水産です。
決算で大きく上げましたね。
このカテゴリでは僕が興味を持った銘柄について投資目線でまとめています。
但し、僕の資金力で買える単元株10万円以下の銘柄を対象にしています。
日本水産について
水産・食品を主事業にしている会社です。
通称は同社のブランド名でもある”ニッスイ”です。
水産業の中では最大手のマルハニチロにつぐ国内第2位の売上規模を誇ります。
上場市場は東証一部であり、時価総額は約1800億円(2021年8月現在) です。
事業領域
・水産事業
漁業・養殖生産から加工販売を行っています。
・食品事業
加工食品を扱っています。魚だけではなく焼きおにぎりや枝豆の冷凍食品もラインナップにあります
・ファインケミカル事業
EPAを軸に水産資源由来の化成品の供給
・物流事業
通関から保管輸送までの「低温一貫物流」サービス
・海洋・エンジニア事業
船舶の建造・修繕や訓練施設などのサービス
事業別売上高構成比と地域別売上構成比

参考:日本水産 ニッスイレポート ニッスイレポート第106期
水産事業と食品事業で9割方の売上を上げています。
地域別の売上についてですが、まだまだ日本の比率が高いようですね。
ファンダメンタル分析
株価:587円
予想PER:12.18倍
実績PBR:1.08倍
自己資本比率:35.7%
予想配当利回り:1.87% ※配当権利確定月:3月、9月
株主優待:あり ※500株以上保有から
※ 参考:SBI証券 2021/8/11時点の算出値
PER水産業の平均が13程度なので普通ですね。
配当は2倍ないので配当に期待といった銘柄ではありません。
株主優待は後述しますが、自社製品の詰め合わせです。
こちらも合わせれば株主還元に消極的とは言えませんが500株以上保有からです。
これまでの業績


当期利益については大枠では右肩上がりと見ていいと思います。
2013年近辺はかなり苦しかったんですね。
ROEが若干下がってきているのが気になります。
近年は合格レベルと言われる10%を割ってきていますね。
ただ、同業他社のマルハニチロは5%を割っている状態なので悪いかと言われるとそうではないかもしれません。
中期経営計画から
日本水産の中期経営計画は2018~2020年までのものが最新です。
2021年分はまだ出てません。
次の中期経営計画は2022年スタートのようです。
財務戦略

参考:日本水産 IR資料室 決算短信・決算説明会資料 決算および中期経営計画説明会 配布資料
投資、自己資本健全化、配当について目標を立てています。
各KPI

参考:日本水産 IR資料室 決算短信・決算説明会資料 決算および中期経営計画説明会 配布資料
売上高、当期純利益に注目しているようです。
2021年度3月期決算資料から
計画と実績を比較してみたいと思います。
決算数値サマリー

売上目標、当期純利益ともに未達ですね。
2021年度3月はコロナ影響があったとはいえ2020年度から見てるとコロナなくても無理そうです。
ただ、配向性向は20%を達成しています。
項目 | 中期計画 | 2021年度3月期実績 |
売上高 | 7,560億円 | 6,564億円 |
当期純利益 | 220億円 | 144億円 |
配当性向 | 15~20% | 20.5% |
貸借対照表

参考:日本水産 IR資料室 決算短信・決算説明会資料 【訂正】2021年3月期 決算説明会資料
純資産についても計画2,000億円に対して1,879億円なので未達ですね。
※投資については計画通りできたようです。資料ではわかりにくかったのですが、別のレポート記載がありました。
参考:日本水産 ニッスイレポート ニッスイレポート第106期
コロナ影響あったとはいえ、全体的に未達ですね。見通しが少し甘かったのでしょうか。
最新の決算資料から
中期経営計画は残念な結果でしたが、直近の四半期決算で株価は上昇しています。
ここでは最新の決算書を分析します。
四半期サマリー

参考:日本水産 IR資料室 決算短信・決算説明会資料 決算短信補足資料
売上高も上がっていますが、特筆すべきは利益額になります。
四半期純利益が前年比63.5%増しで進捗率はすでに35%程度にまで達しています。
セグメント別

参考:日本水産 IR資料室 決算短信・決算説明会資料 決算短信補足資料
今回の好決算では食品事業、ファインケミカル事業は大きく売上を伸ばしているとともに大きく営業利益を伸ばしています。
これらの要因を調べてみたいと思います。
食品事業の内訳

参考:日本水産 IR資料室 決算短信・決算説明会資料 決算短信補足資料
コストダウンをしたんですね。
基準が違うので一概に言えませんが、’20/3と’22/3の売上額が同じだと仮定すると、’22/3の営業利益は大きな進化を遂げていると見ていいかもしれません。
今回のコストダウンの成果を永続的に実施してほしいですね。
ファインケミカル事業の内訳


参考:日本水産 IR資料室 決算短信・決算説明会資料 決算短信補足資料
グループ会社の日水製薬にてPCR試薬キットを販売しているようです。
2021年8月時点ではワクチン接種率は上がってきているものの、コロナ患者は過去最高を更新し続けています。
まだまだコロナは収束しそうにないため、収益に貢献しそうですね。
配当と株主優待
配当
配当については前述しましたが長期的には配当性向30%程度を目指すようです。
現状は20%程度ですので今後増配していく企業なのかもしれませんね。
配当

500株以上の保有からですが、食料品は魅力的ですね。
現状の株価からこれも配当のうちと考えると、優待で1%程度、実質合計配当3%と考えてもいいかもしれませんね。
テクニカル分析
月足

200、400、850円近辺に黄色で描いた水平線が引けると思います。
また、直近では一目均衡表の雲に一旦跳ね返されていますね。
-水平線参考記事-
テクニカルチャート分析紹介③-トレンドラインと水平線-使い方紹介
-一目均衡表参考記事-
テクニカル分析紹介⑦ -一目均衡表- 難解だが効果的 簡単な使い方
週足

青色の下落トレンドラインを抜けて、緑色の上昇トレンドライン内にいます。
また、週足で三役好転が発生しています。
-トレンドライン参考記事-
テクニカルチャート分析紹介③-トレンドラインと水平線-使い方紹介
-3役好転参考記事-
テクニカル分析紹介⑦ -一目均衡表- 難解だが効果的 簡単な使い方
日足

白色のトレンドラインと575円近辺に水平線が引けます。
また、日足でも3役好転が成立しています。
まとめ
日本水産の銘柄分析をしてみました。ポイントを箇条書きします。
ファンダメンタル分析
・今年度は中期経営計画がない・・・
・おいしそうな株主優待あり、今後の配当は増配期待ができそう。
・直近の四半期決算は良い感じです。
⇒食品事業のコストダウンとファインケミカル事業のPCRがいいですね。
テクニカル分析
・月足で見ると400~850円のレンジ内にいます。今の価格はほぼ真ん中といったところでしょうか。
・月足の一目均衡表の雲で一旦跳ね返されています。
・週足、日足は3役好転で非常に強いトレンドの真っ最中です。
・週足、日足ともに上昇トレンドラインの中にいます。
・日足で575円近辺に水平線が引けます。
元々チャート的に強いトレンド内にいた価格が好決算でブーストされて一段上に昇格したような印象です。
僕は長期的に保有するほどの銘柄には見えませんでしたが、今の強トレンドに飛び乗って中期トレードはありだと思います。
買いのチャンスがあればエントリーしてみたいですね。
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