ブログにて日本株の銘柄分析を行っています。
直近の決算で大きく下げていますね。
このカテゴリでは僕が興味を持った銘柄について投資目線でまとめています。
但し、僕の資金力で買える単元株10万円以下の銘柄を対象にしています。
住友化学について
企業概要
住友化学は住友グループの中枢企業です。
かつては三井住友銀行、住友金属工業、住友化学の3社で住友御三家と呼ばれていたこともありました。
1913年に愛媛県新井浜にて住友肥料製造所として発足しました。
その後、総合化学メーカーとして拡大していきました。
現在では国内化学メーカーとして三菱ケミカルホールディングスに続く第2位の売上規模を誇っています。
上場市場は東証一部であり、30,000名以上の社員、時価総額は約9000億円(2021年8月現在) を誇る大企業です。
事業領域
現在は下記の事業分野を展開しています。

参考:住友化学 事業・製品
多角化形成を行っており、いわゆるコングロマリット(巨大複合グループ)企業です。
コングロマリットのメリットは景気リスクに強いことです。
デメリットはコングロマリット・ディスカウントを呼ばれる「単体でそれぞれの事業を営む場合と比較したとき、市場からの評価が低くなり、株価が下落」現象が起こることです。
ファンダメンタル分析
業績指標関連
株価:549円
予想PER:8.97倍
実績PBR:0.88倍
自己資本比率:25.5%
予想配当利回り:3.33% ※配当権利確定月:3月、9月
株主優待:なし
※ 参考:SBI証券 2021/8/10時点の算出値
PERは化学業界の平均20倍に比べてかなり低いですね。
自己資本比率も含めです。投資が多いんでしょうか。
配当は多めですが、高配当企業という程ではないと思います。(※私感です)
これまでの業績
売上推移

純利益推移

売上は横ばい、今期はかなり増える見込みのようです。
純利益は近年苦しいですね。
でもこれも今期はかなり増える見込みのようです。
中期経営計画から
住友化学の最新の中期経営計画は2019~2021年の期間を対象にしています。
・当初の計画

・現状の進捗

2018年に計画した営業利益2,800億円には遠く届きそうにないですね。
コロナがあったから仕方がないことでもあります。まだまだ収束しそうにないですしね。
・各事業分野での進捗

この各項目のうち、僕が注目しているのは黄色で囲った「石油化学のラービグ」と「エネルギー・機能材料の自動車分野」
です。
ラービグとは
サウジアラビアの国営石油会社サウジ・アラムコ社と共同出資するペトロ・ラービグ社がサウジアラビア西岸のラービグ地区に整備・建設した世界最大級のプラントです。
・ラービグ外観

参考:日本経済新聞 住友化学、サウジ「2兆円プラントの消えぬ重み」
ラービグは天然ガス由来のエタンを原料に使います。ナフサよりも価格競争力があることがメリットです。
最近は新型コロナの影響でナフサ価格が急落して苦しい時期がありました。
・ナフサ価格とエタン価格

参考:日本経済新聞 住友化学、サウジ「2兆円プラントの消えぬ重み」
今もコロナ継続中とはいえ、いずれ状況は上向いてくると思います。その時はこの施設の効果が効いてくるかもしれません。
・ラービグ第Ⅱ期計画

こちらを見るとⅡ期設備も安定稼働期に入っているようです。原油価格も上がってきているようですね。
自動車分野
・エネルギー・機能材料部門の投資案件

色々投資されているようですが、 黄色で囲った電気自動車関連の投資の金額の大きさが目立ちます。
日本ではあまり実感ありませんが、世界では電気自動車へのシフトスピードが非常に速いように感じます。
世界的な流れに乗っていきたいところですね。
決算報告書から
・21年度業績予想

21年度の当期利益は1,000億円となっており、ROEは高効率企業の目安となる10%近くまで上昇する見込みのようです。
ただ、為替レートを110円で見込んでいるようです。住友化学は売上の海外比率が高いので円高は減益要因です。
逆に言うと円安で業績アップになりますね。
・21年度四半期実績

当期利益が357億円です。
なんと進捗率35.7%です。
期待が高すぎたのかわかりませんが市場は失望したようです。
脱炭素アンモニア関連銘柄
脱炭素として期待されている水素燃料ですが、大量輸送が難しいそうです。
そこで、アンモニアに変換して輸送する方法が検討されているようです。
住友化学はアンモニア輸送に対して触媒開発を目指すという方針を示しています。
参考:ZAI ONLINE 「アンモニア」関連銘柄は、最近人気の「脱炭素」関連の テーマ株! CO2を出さない「カーボンフリー燃料」とし てエネルギー分野でも期待される「アンモニア」に注目
世の流れ次第では急上昇するかもしれません。
配当方針について
・配当推移

2013年から見ると増配傾向にありますが、連続増配というわけではありません。
2019年、2020年あたりはきっちり下がっていますので、業績悪ければ下がるんですね。
ただ、2019年のような悪い業績でも配当性向90%程度になるまで配当を出せるように努力している点はさすが老舗といったところでしょうか。
テクニカル分析
・月足

キレイな三角持ち合いですね。
直近の高値はオレンジ色の三角持ち合いの上線ではね返されているように見えます。
また、黄色で引いた3本の水平線もよくハマっているように見えます。
-三角持ち合い参考記事-
テクニカル分析紹介④ レンジと三角持ち合いをわかりやすく説明
-水平線参考記事-
テクニカルチャート分析紹介③-トレンドラインと水平線-使い方紹介
・週足

青色の下降トレンドラインを上抜け後、緑色の上昇トレンドラインの下端にいます。
-トレンドライン参考記事-
テクニカルチャート分析紹介③-トレンドラインと水平線-使い方紹介
日足

四角で囲った箇所がキレイな三尊です。
現状はそのネックライン上で踏ん張っているように見えます。
その右下の四角は三尊部分の四角とまったく同じ大きさで貼り付けています。
460円近辺の水平線とちょうど同じ価格帯まで達しています。
-三尊参考記事-
テクニカル分析紹介⑥ 反発しやすい形状-ダブルトップと三尊-
テクニカル分析のまとめ
テクニカルチャートの価格下落パターンがキレイすぎてとても買えないですね。
こんなにキレイなチャートは株でもFXでも珍しいです。
日足の三尊のネックライン上にいるので、短期的には反発あるかもしれませんがテクニカル的には460~480円近辺で待ってます以外の見解ないのでは?と思います。
まとめ
住友化学の銘柄分析をしてみました。ポイントを箇条書きします。
ファンダメンタル分析
・今年の業績は良いと思われる
・今年以降はいままでの投資を回収するフレーズに入るかも
・アンモニア銘柄として面白い
・配当は30%を目安にしてるので利益が上がれば配当アップも期待できる。
たとえ利益が減少しても無配にはなかなかならない銘柄
テクニカル分析
・月足では三角持ち合いがぴったりはまってる。
これから考えると今後下落
・日足では三尊形成間近に見える
・三尊で下落すると考えられる価格が月足の水平線と一致している
これから考えると今後下落
ファンダメンタル的にはこれから投資回収フレーズに入りそうな感じがして楽しみな銘柄ですが、テクニカル分析的にみるととても買えません。
※株はファンダメンタル要素が強いので、あくまでも予想でしかないですが・・・
460~480円近辺に指値を入れ続ける戦略しか思い浮かびません。
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