ブログにて日本株の銘柄分析を行っています。
今回の銘柄は東京電力ホールディングスです。
福島原発の事故から10年経ちました。
しかし、低迷しています。
元の株価をチャートで見ると、いつか上がるのではと感じて今回の分析対象に選びました。
このカテゴリでは僕が興味を持った銘柄について投資目線でまとめています。
但し、僕の資金力で買える単元株10万円以下の銘柄を対象にしています。
この記事のまとめ
ファンダメンタル分析
・事故関連の処理費用で業績が振られる
・配当については、出してる場合じゃないように見える
・ 「A種優先株式」、「B種優先株式」 の普通株式への転換による希薄化が心配
テクニカル分析
・月足の長期で見ると、現状の株価はボックスの底値圏にいるように見える
・明日の終値次第では週足の下落トレンドラインを抜くかも
・仮に買うのであれば一目均衡表の雲を上抜けあたり か?買うのであれば・・・
東京電力ホールディングスについて
略称はTEPCOです。
全国の電力会社の中で1位の売上高を誇ります。
福島第一原子力発電所事故のイメージがどうしても残ります。
巨額の賠償金の支払いをどうしているのでしょうか?
上場市場は東証一部であり、時価総額は約5,000億円です。
ファンダメンタル分析
株価:322円
予想PER:7.7倍
実績PBR:0.24倍
自己資本比率:25.8%
予想配当利回り:0% ※SBI証券の予想値
株主優待:なし
※ 参考:SBI証券 2021/9/9時点の算出値
・日本の大手電力会社の平均(2021月9月8日)
予想PER:16.6倍
予想PBR:0.46倍
予想配当利回り:3.73%
PER、PBRともに割安ですね。
配当の高い電力会社株の中での無配は気になりますが、ずっと赤字ということでしょうか?
これまでの業績


最近は利益率が落ちてきていますが、ずっと黒字ですね。
これで震災以降ずっと無配当なのも気になりますが、業績を見ていきましょう。
2020年度本決算資料から
いつもだったら直近の四半期決算から見ていくのですが、東京電力の損益を調べるためには、賠償や廃炉の関係が必須です。
それがわかりやすいのが本決算資料だったので、こちらの分析を行います。

参考:東京電力ホールディングス アナリスト向け説明資料 バックナンバー
2021年度3月期 決算説明資料
こちらを見ると、2020年度3月期の方が経常損益がいいのに、純損益が低いです。
こちらについて、特別利益と特別損失が効いていそうなので調べてみました。

参考:東京電力ホールディングス アナリスト向け説明資料 バックナンバー
2021年度3月期 決算説明資料
「原賠・廃炉等等支援機構資金交付金」と「原子力損害賠償費」がほぼ同じ金額になっています。
これは、大株主の「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」(日本政府による認可法人)から支給される資金をそのまま賠償に充てているためdす。
また、※3の「災害特別損失」や「福島第二廃止損失」が2020年3月期に特別損失として計上されています。
これが2021年3月期には計上されていません。
安定しないんでしょうね。
これが経常利益と純利益の不整合を生んでますね。
原発事故の損失は当初の見積から増えているのが現状で、今の見積もホントにそれで足りるのかもわかりません。
そもそも正確に見積もることできるのかな?
こんな調子の決算やってたら、常識的に考えてとても配当金出してる場合じゃないかもしれません。
優先株による株の希薄化が懸念

普通株式よりも「A種優先株式」、「B種優先株式」の方が株式数が多くなっています。
この株は大株主の「原子力損害賠償・廃炉等支援機構」 が持っています。
ここで怖いのはこの数が普通株式に転換できるということです。
もちろん、普通株式に転換したら株の希薄化が起こり、値下がり要因になります。
株価が上がってから普通株式に転換しようとしているようですが、こんな爆弾抱えてたら真っ当な投資資金入ってくるか?
疑問です。
あと政府が支援して成長している会社って、繁栄するかな?
テクニカル分析
月足

2011年の原発事故で株価が急落していますね。
その後、反発してきており
250円と750円近辺に水平線が引けると思います。
ボックスと見ることもできますね。
また、最近の株価はオレンジ色の下降トレンドライン内にいますね。
-トレンドライン、水平線参考記事-
テクニカルチャート分析紹介③-トレンドラインと水平線-使い方紹介
-ボックス相場参考記事-
テクニカル分析紹介④ レンジと三角持ち合いをわかりやすく説明
週足

今日かなり反発しましたね。
青色の上昇トレンドラインの上限を少し超える程度まで反発しています。
ただ、一目均衡表的には三役逆転になってます。
今は底値圏ですが、仮に買うのであれば一目均衡表の雲を上抜けあたりでオレンジ色の下降トレンドラインを上抜けなので、そこでしょうか
仮に買うのであれば・・・
-一目均衡表、三役逆転参考記事-
テクニカル分析紹介⑦ -一目均衡表- 難解だが効果的 簡単な使い方
まとめ
ファンダメンタル分析
・事故関連の処理費用で業績が振られる
・配当については、出してる場合じゃないように見える
・ 「A種優先株式」、「B種優先株式」 の普通株式への転換による希薄化が心配
テクニカル分析
・月足の長期で見ると、現状の株価はボックスの底値圏にいるように見える
・明日の終値次第では週足の下落トレンドラインを抜くかも
・仮に買うのであれば一目均衡表の雲を上抜けあたり か?買うのであれば・・・
最後に
この銘柄は非常に分析が難しかったです。
事故の後処理影響が大きすぎて黒字だの赤字だのの次元ではない気がします。
普通のファンダメンタル分析は通用しそうにないですね。
もしかしたら将来一気に株価が吹くこともあるかもしれません。
しかし、それはもう僕の考えるまっとうな株式投資ではないので僕は投資できませんね。
今回の分析は良い勉強になりました。
株買う前の事前勉強の重要性を知るいい教材でした。
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